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徒然草気まま読み#158
「人の臨終の有様」
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今回扱うのは、第百四十三段。
全文を紹介すると…
人の終焉の有樣のいみじかりし事など、人の語るを聞くに、たゞ、「靜かにして亂れず。」といはば心にくかるべきを、愚かなる人は、怪しく異なる相を語りつけ、いひし言(ことば)も擧止(ふるまひ)も、おのれが好む方に譽めなすこそ、その人の日ごろの本意にもあらずやと覺ゆれ。この大事は、權化の人も定むべからず、博學の士もはかるべからず、おのれ違ふ所なくば、人の見聞くにはよるべからず。
人の臨終の様子を語り伝える時に、
たとえほめそやすつもりでも、
話を盛って伝えることは決してその人の
本位に沿うことではないとたしなめる兼好。
そもそも、人がどのように訪れるかなどは、
誰にも予想することはできない。
ただその人の日ごろの心がけに
違わぬ形で迎えられれば、それでいい。
常に死が自分の身近に、しかも後ろにある
という捉え方をしている兼好の考えがよく表れた、
短いながらも味わい深い一段。